使い方説明書

設備点検・巡回点検・温度記録アプリ「巡録」の使い方をまとめています。まずは「5分で始める」から読み進めてください。

第1章

5分で始める

初めて巡録を開いてから、最初のラベルを貼って記録するまでの流れです。

  1. アプリを開くと「貼る→かざす→記録する」の簡単な案内が表示されます。読み終えたら「はじめる」をタップします。
  2. プロジェクト名を入力します(例: 「本社ビル設備点検」「〇〇店 温度記録」)。この端末がプロジェクトの管理端末(リーダー端末)になります。
  3. 点検ポイントのプリセットから近いものを選びます(設備日常巡回・冷蔵温度・清掃・開店閉店・グリーストラップの5種)。あとから自由に編集できます。
  4. ホーム画面から「ラベル書き出し」を開き、作成した点検ポイントを選んで書き出します(経路は第3章参照)。
  5. 書き出したラベルを印刷し、対応する設備・場所に貼り付けます。
  6. 「読取テスト」画面でラベルにかざし、問題なく読み取れることを確認します。
  7. ホーム画面の「かざして記録」または「巡回開始」から、実際に記録してみます。
巡録のホーム画面から「かざして記録」を選び、前回値とミニグラフを見ながら数値を記録する画面
記録画面(前回値とミニグラフを見ながら入力)
ポイント: 最初はプリセットをそのまま使い、名前や項目を後から調整するのがおすすめです。プリセットは編集を前提とした叩き台です。
第2章

ポイントと巡回枠の作り方

点検ポイントの項目

1つの点検ポイントには、次の項目を設定できます。

  • 番号: 表示用の番号です。あとから自由に変更・並べ替えできます(ラベルの貼り替えは不要です)。
  • 名前・設置場所メモ: 「1号機 吸気温度」「西側倉庫 照明」のように、現場で分かる表記にします。
  • 単位: ℃、%、Vなど、数値記録の場合の単位を設定します。
  • 入力タイプ: 数値・テキスト・チェック(はい/いいえ)・選択(あらかじめ用意した選択肢から選ぶ)の4種類から選べます。
  • 目安の上限・下限: 参考として表示されるだけで、自動的な合否判定は行いません。基準値の管理は現場の点検基準に従ってください。

プリセット5種

点検ポイントを一から作る代わりに、用途別のプリセットから始められます。

設備日常巡回

受変電設備・空調・消火設備などの日常点検向け項目一式。

冷蔵温度

冷蔵・冷凍庫の検温記録向けに、数値入力と単位(℃)を設定済み。

清掃

清掃箇所ごとのチェック式記録。

開店閉店

開店前・閉店前の確認項目一式。

グリーストラップ

グリーストラップの点検・清掃記録向け項目。

並べ替えと無効化

点検ポイントは一覧画面でドラッグして並べ替えできます。使わなくなったポイントは削除ではなく「無効化」します。 無効化したポイントの記録履歴はそのまま残り、QRラベルの番号(トークン)も再利用されません。

なお、設定の編集ができるのはプロジェクトを作成した端末(管理端末)のみです。メンバーが取り込んだプロジェクトでは、点検ポイントの編集画面は表示されません(第5章参照)。

巡回枠(巡回テンプレート)

巡回テンプレートは、点検ポイントを集めて1つの巡回の流れにしたものです。「朝の巡回」「閉店前の巡回」のように、目的ごとに複数作成できます。 同じ点検ポイントを、朝の巡回と閉店前の巡回の両方に含めることもできます(それぞれ独立して記録済み・未記録を判定します)。

第3章

ラベル印刷

点検ポイントを選んで書き出す、という2画面の操作は、どの経路でも共通です。用途に応じて3つの経路から選べます。

A. ラベルプリンター向け実寸画像

18mm幅・24mm幅の実寸PNG画像を書き出します。左側にQRコード、右側に番号と名前を配置したレイアウトです。 書き出した画像は「写真に保存」または共有シートから、お使いのラベルプリンターアプリ(キングジム「テプラ」シリーズの公式アプリ「TEPRA LINK 2」やBrother「iPrint&Label」など)に渡せます。

  1. ラベル書き出し画面で点検ポイントを選び、「ラベルプリンター向け」を選択します。
  2. 共有シートから、お使いのラベルプリンターアプリを選びます。
  3. ラベルプリンターアプリ側で画像を読み込み、テープ幅を合わせて印刷します。
「テプラ」は株式会社キングジムの登録商標です。巡録は「TEPRA LINK 2」など他社アプリへ画像を共有する形で連携しており、キングジム社が巡録を提供・監修しているものではありません。

B. A4面付けPDF

エーワン製ラベル用紙のレイアウト(24面・44面・12面)に合わせてA4 1枚に複数のラベルを面付けしたPDFを書き出します。 QRコードのサイズが読み取りに必要な大きさ(目安15mm角以上)を下回っていないか、書き出し時に自動でチェックされます。 AirPrintでの印刷、またはPDF共有(メール・Files保存など)に対応しています。

ラベル書き出しのプレビュー画面。QRラベルがグリッドに並び、印刷・共有・読取テストへのボタンがある
ラベル書き出しのプレビュー画面

C. 大判掲示用(A6/A4 1枚1ポイント)

1枚に1つの点検ポイントだけを大きく印刷するレイアウトです。ラミネート加工して掲示する運用に向いています。

貼り付けのコツ

  • ラミネート加工する場合は、光沢のあるフィルムより非光沢(マット)フィルムの方が反射による読み取り不良が起きにくくなります。
  • パイプや丸い設備など曲面への貼り付けは避け、平面(銘板の横や壁面など)を選んでください。QRコードが歪むと読み取り成功率が下がります。
  • 直射日光や強い照明が反射する位置は避けてください。
  • 貼り付け後は必ず「読取テスト」画面で実際にかざして確認してください。
ラベル書き出し画面。点検ポイントを選んでから書き出し経路A/B/Cを選ぶ
点検ポイントを選択する画面(ラベル書き出し)
第4章

読み取りにくい場合

QRラベルの読み取りがうまくいかないときは、次を順番に試してください。

  • 角度を変える: ラミネートフィルムや光沢のあるラベルは、正面からだと照明が反射して読み取れないことがあります。少し斜めにしてかざしてみてください。
  • 距離を調整する: 近づけすぎ・離れすぎのどちらでも読み取りにくくなります。画面にQRコード全体がはっきり収まる距離を探してください。
  • 汚れ・破損を確認する: ラベルの汚れ、色あせ、破れがあると読み取れません。汚れは拭き取り、破損している場合はラベルを再発行してください。
  • 照明を確認する: 暗すぎる場所では自動で明るさが補正されない場合があります。手元のライトで照らしてみてください。
  • ラベルサイズを確認する: 極端に小さく印刷したラベルは読み取りにくくなります。目安として15mm角以上のサイズを推奨します(第3章参照)。

それでも読み取れない場合は「読取テスト」画面で状態を確認し、改善しなければサポートまでご連絡ください。

第5章

チーム設定配布

巡録では、点検ポイント・巡回テンプレートなどの設定を編集できるのは、プロジェクトを作成した端末(管理端末=リーダー端末)だけです。 メンバーの端末は、リーダーが書き出した設定ファイル(.pointset)を読み取り専用として取り込みます。

なぜこの方式か: 複数の端末で同時に設定を編集できるようにすると、「どちらの変更が正しいか」を自動で判断できない状態(競合)が起こりえます。 巡録は設定の編集者を1人(1台)に絞ることで、この問題自体が起こらない設計にしています。

配布の手順

  1. リーダー端末の設定画面から「設定を書き出す」を選びます。
  2. 書き出された .pointset ファイルを、LINE・AirDrop・メールなど普段使っている方法でメンバーに送ります。
  3. メンバーは受け取ったファイルを開き、「巡録で開く」を選んで取り込みます。
  4. 取り込んだプロジェクトでは、点検ポイントや巡回テンプレートの編集メニューは表示されません(閲覧・記録は可能です)。

設定を更新したとき

リーダーが点検ポイントを追加・変更した場合は、同じ手順で .pointset を再度書き出して配ります。 メンバー側で取り込むと、追加・変更・無効化された件数が画面に表示され、内容を確認したうえで反映できます。

管理端末を移す場合

リーダー端末を機種変更するなど、管理端末そのものを別の端末に移したい場合は、設定画面から「管理権つきで書き出し」を選びます。 取り込み側で「この端末を管理端末にする」を選ぶと、以後はその端末で設定を編集できるようになります。 旧端末側でも技術的に編集がブロックされるわけではないため、移管後は旧端末で設定を編集しないよう運用上ご注意ください(画面上に注意文が表示されます)。

第6章

記録持ち寄り統合

同期ではなく、ファイルの受け渡しです。 巡録にはサーバーがなく、記録は自動的にはどこにも同期されません。各メンバーが記録した内容は、記録ファイル(.pointlog)として手動で書き出し、リーダーに渡してもらう必要があります。

統合の手順

  1. 各メンバーは、記録がたまったタイミングで設定画面から「記録を書き出す」を選び、.pointlog ファイルを作成します。
  2. 作成したファイルを、LINE・AirDrop・メールなどでリーダーに送ります。
  3. リーダーはファイルを開き「巡録で開く」で取り込みます。
  4. 取り込み結果は「追加」「重複」「競合」「拒否」の4分類で表示されます。

重複はUUIDで自動的に排除されます

1件1件の記録には固有のID(UUID)が割り当てられています。同じ記録ファイルを誤って2回取り込んでも、内容が同一の記録は「重複」として扱われ、二重に追加されることはありません。 別のメンバーが同じ記録を別ルートで持ってきた場合も同様です。

競合が表示される場合

同じIDの記録なのに内容が異なる場合(通常の運用では起こりにくいケースです)や、同じ記録に対して2つの訂正が行われた場合は、自動では統合せず「競合」としてどちらの内容も保持したうえで確認を促します。 競合はチーム画面の「競合の確認」から内容を見比べて対応できます。

チーム画面。取込履歴に追加・重複・競合・拒否の件数が表示されている
チーム画面(取込履歴に追加・重複・競合・拒否の件数を表示)
第7章

バックアップと復元

設定画面から、点検ポイント・巡回テンプレート・記録をすべて含む全量バックアップファイルを書き出せます。機種変更時やアプリの再インストール時は、このファイルから復元してください。

  • 設定ファイル・記録ファイルを取り込む直前には、自動的にその時点の全量バックアップが作成されます(直近3世代を保持)。誤った取り込みをしてしまった場合も、直前の状態に戻せます。
  • バックアップファイルはお使いの端末内、またはFilesアプリなど任意の保存先に書き出せます。
  • 復元は全量置き換えです。復元前の状態は失われるため、必要であれば復元前にも一度バックアップを取ってください。
第8章

7日試用と購入・復元

初回起動から7日間は、すべての機能を無料でお試しいただけます。試用終了後は次のようになります。

機能試用終了後
記録の閲覧・グラフ表示利用可能
PDF/CSV書き出し利用可能
バックアップ書き出し・復元利用可能
設定ファイル・記録ファイルの取り込み利用可能
新規記録・記録の訂正利用不可(購入で再開)
点検ポイント・巡回テンプレートの編集利用不可(購入で再開)
ラベルの生成利用不可(購入で再開)

これまでに記録・取り込んだデータが読めなくなったり消えたりすることはありません。「これまでの記録を見る・取り出す」ことは常にできる、という考え方です。

購入・復元

設定画面の「購入」からアプリ内課金(¥1,980・買い切り)を行うと、すべての機能が利用できるようになります。 機種変更やアプリの再インストール後は、同じ設定画面の「購入を復元」から、Appleアカウントに紐づく購入情報を復元できます。 「購入」「復元」のボタンは、試用中・試用終了後を問わず常に表示されます。

端末の日付を大きく過去に戻すなど、通常と異なる時計の状態を検知した場合は、記録機能のみ一時的に停止し「日付設定を確認してください」と案内が表示されます。すぐに試用が失効した扱いにはなりません。
第9章

ファイル形式と互換性

巡録が扱うファイルは次の2種類です。いずれもJSON形式で、内部にスキーマのバージョン番号を持っています。

  • .pointset: 点検ポイント・巡回テンプレートの設定一式(無効化されたポイントの情報も含む全量スナップショット)。
  • .pointlog: 記録データ一式(訂正・取消の履歴を含む)。

どちらのファイルも、LINE・AirDrop・メールなどで受け取った際に「巡録で開く」を選ぶと直接取り込めます。 アプリを更新すると読めるようになる場合があるため、未対応のバージョン番号のファイルを取り込もうとした場合は、内容を変更せずに「アプリを更新してください」という案内を表示します。

このほか、記録データはCSV形式でも書き出せます(表計算ソフトでの閲覧・集計向け)。ただし、CSVファイルからの取り込みには対応していません。取り込みが必要なデータは .pointlog/.pointset(JSON)で受け渡してください。

第10章

FAQ

Q. インターネット接続がなくても使えますか?

A. はい。巡録は完全オフラインで動作します。記録・ラベル生成・グラフ表示・PDF作成など、すべての機能にネット接続は必要ありません。

Q. アカウント登録は必要ですか?

A. 不要です。メールアドレスやパスワードの登録なしでご利用いただけます。

Q. 月額料金はかかりますか?

A. かかりません。¥1,980の買い切りで、7日間の無料試用期間があります。追加の月額課金・年額課金はありません。

Q. 1つの点検ポイントの番号を変更すると、ラベルを貼り直す必要がありますか?

A. 不要です。QRコードには番号ではなく変更されない内部トークンが記録されているため、番号の変更・並べ替え・名称変更を行ってもラベルはそのまま使えます。

Q. 同じ点検ポイントを、朝の巡回と閉店前の巡回の両方に含められますか?

A. できます。巡回ごとに記録済み・未記録が独立して判定されるため、両方の巡回で記録が必要な場合も正しく管理できます。

Q. 記録を間違えて入力した場合、どう直せばよいですか?

A. 記録の履歴画面から訂正できます。訂正すると元の記録は残したまま、新しい値が現在の記録として扱われます。訂正した履歴も確認できます。

Q. 違う点検ポイントに記録してしまいました。直せますか?

A. 誤って記録した内容を取り消したうえで、正しい点検ポイントに新しく記録し直してください。記録は点検ポイントをまたいで付け替えることはできない仕様です。

Q. 複数の端末で同時に点検ポイントを編集できますか?

A. できません。編集できるのはプロジェクトを作成した管理端末のみです(第5章参照)。これは設定の食い違いが起きない設計上の方針です。

Q. ラベルはどのくらいの大きさで印刷すればよいですか?

A. 目安として15mm角以上を推奨します。ラベル書き出し(A4面付けPDF)ではサイズが不足していないか自動でチェックされます。

Q. 点検の合否は自動で判定されますか?

A. 判定されません。目安の上限・下限は参考表示のみで、合否判定や法令適合の保証は行いません。基準の運用は現場の点検基準に従ってください。

Q. データはどこに保存されますか?外部に送信されますか?

A. すべて端末内に保存され、外部サーバーへの自動送信は一切行いません。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。

Q. 機種変更したら記録は引き継げますか?

A. バックアップ書き出し(第7章)を行ってから新端末で復元することで引き継げます。購入情報はApp Storeアカウントに紐づくため「購入を復元」で復元できます。

第11章

トラブルシューティング

ラベルが読み取れない

第4章「読み取りにくい場合」を参照してください。

「このラベルは現在の設定に存在しません」と表示される

取り込んでいる設定ファイル(.pointset)が古く、そのラベルに対応する点検ポイントがまだ登録されていない状態です。 リーダーに最新の設定ファイルを再配布してもらい、取り込み直してください。なお、このメッセージが出た場合でも自動で新しいポイントとして登録されることはありません。

「別の現場のコードです」と表示される

読み取ったQRラベルが、現在開いているプロジェクトとは別のプロジェクトのものです。正しいプロジェクトを開いているか確認してください。

設定ファイル・記録ファイルの取り込みが「拒否」と表示される

ファイルが壊れている、サイズが大きすぎる(10MB超)、対応していない形式・バージョンである、といった理由が考えられます。 画面に表示される理由を確認し、リーダーに再度ファイルを書き出してもらってください。拒否された場合、データは変更されず取り込み前の状態のまま保たれます。

点検ポイントの編集メニューが出てこない

取り込んだプロジェクト(isOwned=false)では設定の編集はできない仕様です。編集が必要な場合は、リーダー(プロジェクトを作成した端末)に依頼してください。

「日付設定を確認してください」と表示される

端末の日付が通常と異なる状態(大きく過去に戻っているなど)になっている可能性があります。設定アプリで端末の日付・時刻が正しいか確認してください。購入済みの場合はこの表示だけで利用が制限されることはありません。

それでも解決しない場合

サポートページから、端末の機種・iOSバージョン・発生した状況を添えてご連絡ください。

第12章

更新履歴

  • v1.0 — 初回リリース。点検ポイント・巡回テンプレート管理、QRラベル生成(3経路)、巡回モード、記録の訂正・取消履歴、チーム設定配布・記録持ち寄り統合、PDF/CSV書き出し、バックアップと復元、7日間無料試用。